2008年度後期 線形代数学II 第1回授業アンケート集計結果
第1回授業アンケートへの回答をありがとうございました。
授業でわかりにくかった点の指摘や授業方法に関する意見など,参考になりました。
以下に頂いた質問・意見とそれへの回答を載せます。意見に関しては,今後の授業にできるだけ
活かしていきたいと思います。
(1) 進度について
・スピードがちょうど良い。
・板書のスピードをもう少しゆっくりにして,その説明ももう少ししっかりとしてほしいです。
・板書が速くて,量も多いのでなおしてほしい。
・授業はやいです。黒板まにあいません。
・板書がはやすぎて理解がついていけません。
・説明が速すぎて板書を書き取る余裕が全くない。もう少しゆっくり板書を書き取る時間を
与えてほしい。
・板書の量が多いので,少し時間を取って整理させてください。
・授業のスピードが速く,板書を写すので精一杯です。
授業の進度・板書のスピードが速すぎるという意見が多数ありました。気をつけるようにします。
ただ,線形代数学IIは学ぶ内容が多いため,どうしても多くの内容を短時間で伝えることになって
しまいます。ですので,毎年学生さんに言っていることですが,ぜひ講義前に教科書を読んで,
どんな新しい定義・定理が出てくるかを掴んでおくようにしてください。板書は,説明の都合上,
教科書の内容を再度書いていることも多いので,ポイントを絞ってノートを取るようにすれば,
書く分量を減らせます。私も,どこがポイントかをできるだけ説明するようにします。
(2) 板書について
・字をもっと大きくして下さい。
・字をもう少し大きく書いていただけると嬉しいです。添字や累乗がわからない時があるので。
・字がきれいで読みやすいことがありがたいが,少し,速すぎると思います。
・時々板書で見にくい所があります。特に,u1などの添字が小さく,見えない時があります。
いろいろと意見をありがとうございました。字の大きさ,特に添字や累乗などについては注意
するようにします。あとお願いですが,前のほうの席が空いていることが多いので,できるだけ
前に詰めて座ってもらえると,黒板が見やすいと思います。
(3) 声量について
・声が小さい。マイクが途切れているのに気づいてほしい。
・たまに,マイクが外れたまま授業をするから声が全くきこえない。
・周りの人間が五月蠅いです。
すみません。マイクの調子が悪くて途切れ途切れになったため,マイクを外して説明したことが
何回かありました。その場合は,もっと大きい声で説明するようにします。
(4) 演習について
・授業中に例題をもうちょっとやったり,どういう時に用いられるのかなど説明してほしい。
・例題などをもっと増やしたほうがいいと思います。
・もっと演習をやって定着させた方がいいと思う。
・毎回演習用の問題が配られ,HPを利用して自学できるのは有り難いです。
色々な定理や概念がどのように用いられるかについては,もう少し詳しく説明するようにします。
例題もできるだけ解きたいのですが,教科書の例題を解説するだけで時間的にいっぱいになって
しまう場合が多いです。そこで,冬休みの補講期間中に演習だけの授業を1回行うことにします。
出席は任意とし,教科書の章末問題やその他の演習問題を解説するつもりです。日程については
皆さんの希望を聞いて決めます。なお,演習問題は,これからも2,3週に1回配る予定です。
(5) その他
・線形空間の意味がいまだによくわかりません。
線形代数学は,前期は具体的な行列や連立一次方程式の計算ですが,後期になると抽象的な
概念が数多く出てくるので,取っ付きにくいかもしれません。線形空間というのは,「足し算と定数倍
が定義された集合」のことで,この条件さえ満たされていれば,何でも線形空間です。たとえば,
3次元数ベクトルの集合は,足し算と定数倍が定義されているので線形空間です。また,多項式の
集合も,足し算と定数倍が定義されているので線形空間です。
このように,ある概念を定義するときに,「○○という性質を持ったものを××と呼ぶ」というように
その性質によって抽象的に定義するのが,大学以降の数学の特徴です。内積,線形写像などの
概念も同様です。このような定義は最初はわかりにくいと思いますので,教科書で出てくるような
線形空間の例を色々と見ていくことで,それらに共通する性質として,線形空間の概念を徐々に
理解するのがよいと思います。
なお,線形空間の非常に重要な性質として,線形空間の要素は数ベクトルに対応付けられると
いうことがあります。教科書の4章・5章では,この原理に基づいて,線形空間の様々な性質を
明らかにしていきます。
・レポート問題は難しかったです。問題3の(1)と(2)の違いがよく分かりません。
線形空間V1とは,式(1)の2本の方程式をともに満たすような点 [x,y,z,w] の集まりです。このよう
な点は,実は4次元空間中の2本のベクトルの線形結合として表せます(教科書の例題4.4参照)。
この2本のベクトルをV1の基底と呼びます。基底のとり方には任意性があり,特に2本のベクトル
が共に長さ1で,かつ互いに直交するように取ったものを正規直交基底と呼びます。その計算の
しかたはレポート解答あるいは教科書の例題4.8を見てください。
一方,上で求めたV1の基底の両方のベクトルに対し,更に直交するベクトルの集合というのも
考えられます(4次元空間では,互いに直交する方向は4方向あることに注意)。これをV1の
直交補空間V1⊥と呼びます。V1⊥の正規直交基底を求めるのが小問(2)です。詳しくはレポート
解答を見てください。
それでは,また何か意見や質問があれば,気軽に出してください。授業中・授業後でも,メール
ででもかまいません。
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