2004年度前期 応用数理工学特論

 題目 :   コンピュテーショナル・ファイナンスの基礎
 対象学生:  計算理工学専攻 博士前期課程大学院生(M1・M2)
 学期:    2004年度前期
 曜日・時限: 木曜日・2限(10:30 - 12:00)
 講義室:   3号館323号講義室
 講師:    山本有作



 ・橋屋博章君,藤田勝乙君による「差分法によるアジアンオプションの価格計算プログラム」プログラムのページに掲載しました。(7/16)
 ・7/8の発表分の PowerPoint ファイルとレジュメとを「期末発表について」のページに載せました。力作が多いので,見てください。下記の「シラバス」の項からダウンロードできます。(7/8)
 ・第2回レポートの提出者は6名でした。提出した人は,提出者リストで自分の学籍番号を確認してください。また,「第2回レポートの解答と講評」を下記の「シラバス」の項に掲載しましたので見てください。(7/8)
 ・橋屋博章君,藤田勝乙君による第9週の授業ノートができました。作成ありがとうございました。(7/3)
 ・モンテカルロ法によるオプション価格計算を行うCプログラムを掲載しました。下記の「シラバス」の項からダウンロードできます。(6/29)
 ・梅舘拓也君,山田雅道君による第8週の授業ノートができました。作成ありがとうございました。(6/29)
 ・期末発表の課題として「差分法によるアジアンオプションの価格計算」「準モンテカルロ法」とを追加しました。(6/24)
 ・期末発表のグループが決定しました。下記「シラバス」の項の「期末発表について」のページの最後を見てください。課題を決めたグループは私までメールで連絡してください。締め切りは7/1です。(6/24)
 ・差分法によるオプション価格計算を行うCプログラムを掲載しました。下記の「シラバス」の項からダウンロードできます。(6/18)
 ・三浦春樹君,浅田崇史君による第7週の授業ノートができました。作成ありがとうございました。熱伝導方程式の基本解と重ね合わせの原理について,詳しい説明を加えたので見てください。(6/18)
 ・第2回レポートを出題しました。提出する人は7/1(木)までに3号館381号室前のレポート入れにお願いします。(6/18)
 ・「シラバス」の項に「期末発表について」を掲載しました。期末発表の進め方とこちらで用意した発表課題を載せましたので,見てください。(6/14)
 ・ブラックショールズ公式によるオプション価格計算を行うCプログラムを掲載しました。下記の「シラバス」の項からダウンロードできますので,自分で実行してみてください。(6/11)
 ・岩田将平君,若林尚貴君による第6週の授業ノートができました。作成ありがとうございました。(6/8)
 ・矢野雅俊君,撰幹士君による第5週の授業ノートができました。作成ありがとうございました。ブラウン運動についての補足と,正規分布に従う乱数を生成するための逆関数法に関する記述を加えましたので見てください。(6/3)
 ・ブラウン運動のシミュレーションを行うCプログラムを掲載しました。下記の「シラバス」の項からダウンロードできますので,自分で実行してみてください。(6/3)
 ・大脇大君,長谷川貴巨君による第4週の授業ノートができました。作成ありがとうございました。下記の「シラバス」の項からダウンロードしてください。(5/26)
 ・5/20(木)は私が海外出張のため休講とします。次回の授業は5/27です。(5/13)
 ・畝山多加志君,渡信彦君による第3週の授業ノートができました。作成ありがとうございました。多変数の確率分布に対する周辺分布,条件付き確率の計算法など,多少内容を加えましたので見てください。(5/13)
 ・第1回レポートの提出者は19名でした。提出した人は,提出者リストで自分の学籍番号を確認してください。また,「第1回レポートの解答と講評」を下記の「シラバス」の項に掲載しましたので見てください。(5/11)
 ・松場弘明君,渡邉崇充君による第2週の授業ノートができました。作成ありがとうございました。授業では簡単にしか話さなかったリスク中立確率に関する説明を加えましたので見てください。(5/7)
 ・高柳健一郎君,西口健太郎君による第1週の授業ノートができました。作成ありがとうございました。授業では時間がなくて話せなかった経路依存型オプションに関する説明も入れましたので見てください。下記の「シラバス」の項からダウンロードしてください。(4/28)
 ・第1回レポートを出題しました。提出する人は5/6(木)までに3号館381号室前のレポート入れにお願いします。なお,問題4はまだ授業で扱っていない範囲なので,代わりの問題も用意しました。下記「シラバス」の項にある第1回レポート補遺を見てください。(4/22)
 ・第1週の授業で使ったスライドを載せました。下記の「シラバス」の項からダウンロードしてください。(4/22)


授業の概略

 デリバティブ(金融派生証券)の価格計算や資産運用最適化などファイナンスの問題では,解析的に解を求めることが難しい場合が多く,計算機を用いて効率的かつ高精度に数値解を求めるコンピュテーショナル・ファイナンスが重要となる。  本講義では確率論の初歩から出発し,まず数理ファイナンスの基礎であるBlack-Scholesのデリバティブ価格付け理論を学ぶ。次に,実際に銀行や証券会社で取引される複雑なデリバティブの価格を計算するための手法として,差分法やモンテカルロ法などの様々な数値計算法について学んでいく予定である。  前提とする数学的知識は大学2年生までの線形代数と解析学のみとし,それ以上の内容は必要に応じて解説する。


目標

 ・ファイナンスの重要なテーマである,デリバティブの価格付け理論を理解する。
 ・解析的に価格が計算できない場合に用いる様々な数値計算法について学ぶ。
 ・上記を理解するために必要な確率論の基礎を学ぶ。


授業スケジュールと内容

 下記の「シラバス」の項を参照してください。


講義ノート

 ・授業の復習をしやすくするため,毎回2人の方に講義ノートの作成をお願いします。担当者は毎回授業の初めに募りますので,ぜひ積極的に手を挙げてください。
 ・ノート作成は,できればLaTeXで,無理ならばテキスト形式あるいはMicrosoft Word形式(2000以前のバージョン)でお願いします。テキストあるいはWordの場合,数式部分は手書きでかまいません。
 ・作成したノートは,授業後1週間以内に3号館北381号室まで提出してください。
 ・ノートは,こちらで補足を加えてから,このページの「シラバス」の項に掲載します。


質問シート

 ・毎回,授業最後の5分間を使い,授業内容でわからなかった点,疑問に思った点,感想,意見などを紙に書いて提出してもらいます。内容は授業にフィードバックしたいので,率直な意見をお願いします。
 ・質問が多かった点については,次回の授業の最初に補足説明を行う予定です。


成績評価

 ・成績は,レポート,期末発表,出席の3点により評価します。
 ・レポートは4回出題しますので,そのうち2回を選んで提出してください。提出は3号館北381号室までお願いします。なお,講義ノート作成の担当は,レポート提出1回分と見なします。
 ・期末発表は,最後の2回の授業を使って行います。2〜3人で1つのグループとなり,論文を読んでまとめて発表するか,あるいは講義で勉強したことをもとに自分たちで数値実験を行った結果を発表してください。時間は1グループあたり15〜20分の予定です。


参考書

 ・今野浩: 「金融工学の挑戦」,中公新書,2000.
 ・P. Wilmott, S. Howison and J. Dewynne (伊藤幹夫,戸瀬信之訳): 「デリバティブの数学入門」,共立出版,2002.
 ・P. Wilmott, J. Dewynne and S. Howison: "Option Pricing",Oxford Financial Press, 1993.
 ・森真: 「なっとくする数理ファイナンス」,講談社,2001.
 ・T. Mikosch (遠藤靖訳): 「ファイナンスのための確率微分方程式」,東京電機大学出版局,2000.
 ・津野義道: 「ファイナンスの確率積分 - 伊藤の公式,Girsanovの定理,Black-Scholesの公式 -」,共立出版,2001.
 ・J. Hull: "Options, Futures and Other Derivatives", Third Edition, Prentice-Hall, 1997.


リンク

 ・Financial Times(株価)
 ・Yahoo! Finance(株価)
 ・朝日新聞社ホームページ(為替レート)
 ・Chicago Board Options Exchange (CBOE)(オプション価格,米国)
 ・London International Financial Futures and Options Exchange (LIFFE)(オプション価格,ヨーロッパ)


連絡先

 計算理工学専攻 杉原研究室 山本有作
 居室: 工学部3号館北381号室
 Email: yamamoto@na.cse.nagoya-u.ac.jp
 内線: 5380


シラバス

 日時  テーマ  内容  授業ノート・レポート等 
 第1週
 4/15 
 デリバティブとは  ・市場変動によるリスク
 ・デリバティブによるリスク回避
 ・様々なオプション
 ・簡単なモデルによるオプション価格計算
 ・スライド
 ・授業ノート
  (高柳健一郎君,西口健太郎君担当)
 第2週
 4/22 
 確率論の基礎 (I)  ・1変数の場合
 ・多変数の場合
 ・授業ノート
  (松場弘明君,渡邉崇充君担当)
 ・第1回レポート(5/6締め切り)
 ・第1回レポート補遺
 ・第1回レポートの提出者
 ・第1回レポートの解答と講評
 第3週
 5/6 
 確率論の基礎 (II)  ・確率過程
 ・ブラウン運動
 ・確率微分方程式
 ・授業ノート
  (畝山多加志君,渡信彦君担当)
 第4週
 5/13 
 ブラック=ショールズの
 資産価格モデル 
 ・資産価格のモデル
 ・伊藤の公式
 ・確率微分方程式の解
 ・授業ノート
  (大脇大君,長谷川貴巨君担当) 
 第5週
 5/27 
 ブラック=ショールズの
 オプション価格公式 
 ・微小時間での複製ポートフォリオ
 ・ブラック=ショールズの方程式
 ・ブラック=ショールズの公式
 ・プット・コール・パリティ
 ・授業ノート
  (矢野雅俊君,撰幹士君担当) 
 第6週
 6/3 
 差分法による価格計算  ・差分法による価格計算の原理
 ・陽的差分法
 ・陰的差分法
 ・クランク=ニコルソン法
 ・授業ノート
  (岩田将平君,若林尚貴君担当) 
 ・ブラウン運動のシミュレーション
 第7週
 6/10 
 2項モデルによる価格計算  ・2項モデルによる価格計算の原理
 ・ヨーロピアンオプションの価格計算
 ・アメリカンオプションの価格計算
 ・授業ノート
  (三浦春樹君,浅田崇史君担当) 
 ・ブラック-ショールズ公式のプログラム
 第8週
 6/17 
 モンテカルロ法による価格計算 (I)  ・モンテカルロ法による価格計算の原理
 ・乱数の生成
 ・サンプルパスの生成
 ・ヨーロピアンオプションの価格計算
 ・授業ノート
  (梅舘拓也君,山田雅道君担当) 
 ・第2回レポート
 ・第2回レポートの提出者
 ・第2回レポートの解答と講評
 ・差分法のプログラム
 第9週
 6/24 
 モンテカルロ法による価格計算 (II)  ・バリアオプションの価格計算
 ・ルックバックオプションの価格計算
 ・分散減少法による高速化
 ・授業ノート
  (橋屋博章君,藤田勝乙君担当) 
 ・モンテカルロ法のプログラム
 第10週
 7/1 
 より高度な資産価格モデル  ・期待収益率のモデルからのずれ
 ・ボラティリティ・スマイル
 ・ジャンプのある資産価格モデル
 
 第11週
 7/8 
 期末発表 (I)  ・4〜5グループが発表の予定 ・期末発表について
 第12週
 7/15 
 期末発表 (II)  ・同上 






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