ブラック-ショールズ公式によるオプション価格計算
BS.c はブラック-ショールズ公式およびその他の公式により,ヨーロピアンオプションと様々な経
路依存型オプションの価格を計算するCプログラムです。
プログラムは次の関数から成っています。
NormalDistributionFunc
標準正規分布の分布関数を計算する関数です。計算には,初等関数による近似法を用いてい
ます。詳しくは,[1][2]を参照してください。
BlackScholesCall
ブラック-ショールズ公式によりヨーロピアン・コールオプションの価格を計算する関数です。
BlackScholesPut
BlackScholesCall とプット・コール・パリティの式を組み合わせることにより,ヨーロピアン・プット
オプションの価格を計算する関数です。
LookbackPut
ルックバック・プットオプション(floating strike lookback put)の価格を計算する関数です。ここで
使っている公式については,たとえば[3]を参照してください。なお,入力の M は現時点までの
資産価格の最大値で,普通のルックバック・プットオプションの価格を計算するときは S0 に等
しい値を入れます。
HindsightCall
ハインドサイト・コールオプション(fixed strike lookback call)の価格を計算する関数です。ルック
バック・プットの価格とハインドサイト・コールの価格の間に成り立つ関係式([4]参照)を使い,
LookbackPut を用いて計算を行っています。
main
関数 BlackScholesCall のためのテストプログラムです。行使価格 K と満期までの時間 T を変
えたときのコールオプションの価格を計算します。結果は画面とファイル BS.txt の両方に出力
します。
計算結果
現在の資産価格が S0=100,利子率が r=0.1,ボラティリティが σ=0.3 の場合に,ヨーロピアン
コールオプションの価格を行使価格 K の関数として複数の満期 T について計算した結果を図1
に示します。Tが大きくなるほどオプション価格は高くなり,かつ滑らかな関数になっているのが
わかります。
図1 ヨーロピアン・コールオプションの価格
参考文献
[1] M. Abramowitz and I. Stegun: "Handbook of Mathematical Functions", Dover, 1972.
[2] J. Hull: "Options, Futures and Other Derivatives", Third edition, Prentice-Hall, 1997.
[3] Y.-K. Kwok: "Mathematical Models of Financial Derivatives", Springer-Verlag, 1998.
[4] M. Broadie, P. Glasserman and S. G. Kou: "Connecting Discrete and Continuous
Path-Dependent Options", Finance and Stochastics, Vol. 3, No. 1, pp. 55-82 (1999).
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